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Medieval Studies in Japan (MSIJ)
[はじめに]
日本には、文学、歴史学、哲学、神学、音楽学、歴史言語学などの様々な学問分野において、ヨーロッパの中世をあつかう研究者と数多くの学会が組織されています。しかしながら、それらをまたぐ (overarching)な「中世学会」というものは存在していません。その結果、日本国内では、研究成果は、それぞれの分野の学会誌のなかで流通しており、それらの学会をまたいだ「中世学者」の交流は限られています。このウェブサイト Medieval Studies in Japan (MSIJ) は、それぞれの学問分野の蓄積を尊重しつつも、それを超えた「中世学」あるいは「中世研究」という大きな枠組みの必要性について述べるとともに、多様な研究分野間の交流を加速していくための活動の場として構想されました。
なお、Medieval Studies in Japan はヨーロッパの中世を扱っていますが、「ヨーロッパ」という言葉をいれていないのは意図的なものです。そうすることによって、MSIJ が、将来的に、たとえば日本の中世史をも扱えるように(そして適切な問題設定と研究方法を兼ね備えた比較史を構想するための足がかりになりうるよう)「ひらいて」あるべきだと考えるからです。*
*) たとえば2005年に、鶴島博和熊本大教授は、次の項で触れるリーズでひらかれる中世学会 IMC (International Medieval Congress) で、日本中世史を扱う3本の発表からなるセッションを組織され、それを IMC は受け入れています。このことが示すように、IMCもその扱う領域を「ヨーロッパ」の中世に限定していません。
以上の点についてもう少し詳しく知りたい方は、[「中世学」あるいは「中世研究」という大きな枠組みの必要性]をお読みください。
[ここで試みたいこと] このブログエントリーをご覧下さい。このサイトの利用方法についても書いてあります。
[最終更新] 27 August 2008 更新情報 (What's New) などは以下から。 Medieval Studies in Japan (MSIJ) Blog
[News] 1 April 2008
「西洋中世学会」の発足準備が進んでいます。開設されたばかりで、あまり情報はありませんがウェブサイトも開設されました。
http://www.medievalstudies.jp/
準備委員会などの情報がこれから追加され、中身も充実していきますので、チェックしていただければ。
[Conference Calendar / 学会・研究会開催予定表]
*リンクはすべてワン・クリックで別ページがひらくようにしてあります。過去のカレンダーは、ここをクリック。原則的に敬称略とします。
2008年8月29日(金)13:30〜17:00、8月30日(土)9:00〜12:30 東北学院大学土樋キャンパス7号館2階 院生談話室
8月29日(金)
須田明博(東北学院大学オープンリサーチセンター・リサーチアシスタント)「バレンシア地方の再植民運動をめぐって」
法花津晃(九州大学大学院文学研究科D2)「10-11 世紀におけるクリュニー修道院と在地領主—Saint-Gengoux-le-National 関連諸権利に見る紛争とその解決—」
青山由美子(日本大学文理学部非常勤講師)「11-12 世紀フランドル伯のカンケラリウス」
8月30日(土)
小山寛之(早稲田大学大学院文学研究科史学西洋史専攻博士D4)「12 世紀の証書作成と政治戦略—マインツの聖ペーター教会参事会長選挙をめぐる紛争を事例として—」
永本哲也(東北大学大学院文学研究科D4)「1525-35 年におけるミュンスターの社会運動と共同体への帰属意識」
藤井真生(三重大学非常勤講師)「中世チェコにおけるユダヤ人という存在—チェコ人とドイツ人のはざまで」
なお、8 月29 日の研究会終了後に、さらに親睦を深めるための懇親会を予定。
そのほかの詳細は以下のサイトをごらんください。
http://www.es-ken.net/modules/wordpress/index.php?p=34
2008年9月6日(土) 13:30- 京都大学文学部新館2階 第2演習室
小野賢一(青山学院大学非常勤講師)「12世紀の隠修制の危機と司教管区統治の権力編成」
連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学文学部西洋史研究室内
関西中世史研究会 medieval.study[[at]]bun.kyoto-u.ac.jp [[at]]を@に入れ替えてください。
2008年9月16日(火)18 :00(開場17 :30) 日仏会館ホール
木俣元一(名古屋大学大学院文学研究科教授)
中世から現代までフランス美術史をたどって
フランス・ゴシックのステンドグラスを読む — 物語からメッセージへ —
ゴシックの聖堂に入ると、窓にはめられたステンドグラスの鮮やかな色彩の渦にのみこまれてしまうような印象がありますが、じつは人物や情景などひとつひとつのイメージを読みとることができます。ここでは主にシャルトル大聖堂やパリのサント=シャペルなどの作品をとりあげながら、描かれた物語とそこに込められたメッセージをていねいに読み解いていくことにしたいと思います。ゴシック建築の発展とともに窓が大きくなり、これまでにない新しい表現を生み出すためにさまざまな試みがなされました。中世の芸術家の独創性あふれる挑戦について考察します。
定員 120名(事前予約なし)
参加費 1,000円(会員無料,学生500円)
主催 財団法人日仏会館
http://www.mfjtokyo.or.jp/event/00231/detail.html
2008年9月20日(土)14時より 京都大学 法経本館2階第8教室
ミニ・シンポジウム「紛争・文書・公権力」
久保秀雄(法社会学・京都大学大学院法学研究科後期博士課程)
図師宣忠(西洋中世史・三重大学等非常勤講師)
コメント・佐藤雄基(日本中世史・東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)
企画趣旨:
前近代社会の紛争処理においては、絶対的に依拠・参照される法や権力というものはほとんど存在せず、当事者間の相互交渉を通して、紛争が予防・解決され、秩序が形成されてゆく。多元的に存在する複数の権力も、調停のみならず積極的なアクターとして参与する。そして種々の慣習や成文法が、それぞれの社会の政治的・宗教的・文化的土壌のもとで培われ、こちらも臨機応変に活用される。
近代社会の紛争についても、1970年代の法人類学研究によって、第三世界の紛争処理の例から、小規模社会では、近代的な上からの第三者的裁定よりも、相互交渉による解決の方が有効であるということが明らかにされた。こうした解決はADRとしてアメリカに逆輸入され、社会政策的にも議論を呼んでいる。
このように、社会史や法人類学において積み重ねられてきた研究を踏まえ、本シンポジウムでは、法社会学の久保秀雄氏・西洋中世史の図師宣忠氏から、紛争における文書の役割を題材とした報告をいただく。
紛争の諸局面においてアクターの間を行き交う文書が、アクターの関係の変化に伴って、文書自体のみならずその写し・編纂物なども含めて、どのような役割を果たしてゆくか——現代社会と西洋中世都市という対象の相違をもちながら、文書を糸口とした研究には、このような非常に共通した分析視角を見いだすことができる。
しかし一方で、この比較を通して、紛争処理の拡大・深化に伴って浮かび上がってくる公権力というものが、それぞれの社会においてどのように位置づけられているか、その特徴が際立ってくる。現代の都市コミュニティを対象とする久保氏の研究では、公権力の存在が意識されないほど自明のものとして社会に浸透している。一方で、西洋中世都市を対象とする図師氏の研究では、当事者間でとりかわされた無数の文書の海から、公権力の存在を想定した文書が出現し、公権力が確立してゆくさまを問題としている。この視角は、近代・前近代の社会それぞれから、具体的な公権力の意義を問い直す試みとなろう。
シンポジウムでは、さらに比較の対象を拡大し、日本中世史から佐藤雄基氏のコメントをいただく。また、フロアからも活発な議論を期待する。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalha/kinki.htm
2008年9月20日(土)-21日(日) 九州大学 文学部(箱崎キャンパス)
テーマ:「10-12世紀の私文書」
20日(土)は、13時30分より、法花津晃、足立孝、城戸照子のお三方による研究報告会です。
21日(日)は、文献検討会の予定です。現在までに、お申し出いただいた方は、以下の方々です。城戸照子:Actes prives et transferts patrimoniaux en Italie centro-septentrionale (VIIIe-Xe siecle)
法花津晃:Malo ordine tenent. Transferts patrimoniaux et conflits dans le monde franc (VIIe-Xe siecle)
dans Transferts patrimoniaux
大宅明美:La dotation de l'epouse en Aquitaine septentrionale du IXe au XIIe siecle
舟橋倫子:Du bon usage de la dos dans la Normandie ducale (Xe-debut du XIIe siecle)
dans Dots
大浜聖香子:Les femmes et la memoire : le role des comtesses dans la Francie occidentale du XIe siecle
dans Sauver
岡崎敦:三冊の序論(一つの共同研究シリーズ)そのほかの詳細は以下のPDFファイルを参照。
http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/his_west/siryo_ron/2008_9_20-21.pdf
2008年10月25日(土)-26日(日) 慶応義塾大学 三田キャンパス
1)講演 13時30分から 東館8階ホール
- 1日目:13時受付開始
高田康成(東京大学)「Tertium Quid:メディアとしての西洋中世」 14時-15時半
佐藤彰一(名古屋大学)「12世紀ルネサンス論再訪 ―アリストテレス受容をめぐる最近の動向-」 15時45分-17時15分
2)懇親会 18時-20時 場所、会費未定(後日、公開します)9時-10時半:
- 2日目:8時30分から受付開始
- 1)ワークショップ「中世学研究の現場に触れる」 東館8階ホール、同4階セミナー室
A「書物と読書行為」:
杉崎泰一郎(中央大学。フランス宗教史)、北村直昭(法政大学非常勤講師。書物の歴史)
読書行為と書物は幅広い分野から注目されているが、とりわけ古書体学など写本学における研究の進展が著しい。今回はこれらの分野での最近の研究を紹介し、読書行為や書物というテーマが中世学諸領域とどのようなつながりをもてるのか意見交換をしたい。
B「図像学(イコノグラフィー)のその先へ -ロマネスクの美術と建築を“読む”-」:
金沢百枝(國學院大学。ロマネスク美術史)、小倉康之(玉川大学。建築図像学)
特殊な図像や建築をどう「読む」か。第一部では怪物や動物など、聖書や聖人伝の知識では読み解けないロマネスク美術の「図像」を、第二部では建築そのものが担う意味をクラウトハイマーの論考をもとに考察する。
10時45分-12時15分:
C「歴史叙述と権力」:
鈴木道也(埼玉大学。フランス史)、有光秀行(東北大学。ブリテン諸島史) 多様な歴史認識が交錯する中世社会にあって、歴史叙述に携わる知的エリートたちは、どのような意識と方法論をもってそれぞれの史書を組み立てていたのだ ろうか。歴史家が常に直面する歴史叙述と権力との関係について、13、14世紀フランス王国の年代記における写本間の異同の問題を手がかりに考えてみた い。
D「写本と刊本のあいだ -説教テクストを読む」:
赤江雄一(中央大学研究員。文化史・宗教史)、藤井香子(大阪学院大学。古英語統語論・写本研究)
このセッションでは、中世ヨーロッパにおいて、もっとも重要なコミュニケーションの形態に数えられる説教に対して、どのようなアプローチの仕方があるの かを考えたい。具体的には、アングロ・サクソン期の古英語の説教と、14世紀イングランドのラテン語の説教を例にとりつつ、元の写本と、写本から活字化さ れた刊本のあいだに、どのような問題が含まれ、どのような研究につながりうるのかを例示することで、今後の研究の可能性を示したい。
2)パネル・ディスカッション「Medievalistになること」 14時-16時45分 東館8階ホール
司会:有光秀行、杉崎泰一郎
パネラー(発言順):三浦麻美(中央大学院生。ドイツ宗教史)、松田隆美(慶応義塾大学。イギリス文学)、岩波敦子(慶応義塾大学。ドイツ心性史)、藤井香子、徳橋曜(富山大学。イタリア都市史)、赤江雄一
詳細情報・参加要領などは以下を参照。 http://www.medievalstudies.jp/
2008年10月29日(水)13:15~16:50(開場12:30) 日本学士院(東京都台東区上野公園7-32)
Karl Kroeschell 日本学士院客員、フライブルク大学名誉教授
暴力か法か? -中世中期のドイツにおける法理解と紛争解決-」
石井紫郎 日本学術振興会学術システム研究センター相談役、東京大学名誉教授
「儀礼か法か」又は「儀礼と法」 -クレッシェル教授の講演をどう受け止めるか-
聴講無料
なお、シンポジウムはドイツ語・ 日本語で行われますが、ドイツ語講演については日本語訳文が配付されます。また、質疑応答と討論は通訳されます。
Recht, Gewaltund Ritual: PerspektivenderQuelleninterpretation
カール・クレッシェル客員 (1927年生まれ)
(講演概要)
近年の歴史学研究は、西洋中世の紛争解決に関して、法と裁判の役割を低く見積もり、
法とは異なる「ゲームのルール」に従って儀礼などを多用しつつ解決がはかられていた
ことを強調する傾向にある。これに対して本講演は、中世中期ドイツの3つの具体的
ケースを分析することを通じて、中世人がある行為の法的重要性や法的拘束力について
明確な観念を有していたことを示し、法が中世世界を構成する独自の要素であったこと
を明らかにする。皇帝の前で決闘する戦士、森の木の実をめぐって争う領主と農民、失
われた自由を再び取り戻そうとつとめる男たち、――3つのケースの当事者たちの行動
から、中世ドイツの法と裁判の姿が生き生きと浮かび上がる。
石井紫郎教授 (1935年生まれ)
(講演概要)
クレッシェル教授は、近時の文化人類学的歴史学が、西欧中世における紛争解決にお
いて法・裁判の果たした役割はマージナルなものであり、「儀礼」的な行為の応酬を律
する“Spielregeln”こそが重要である、と主張するのに対して、紛争解決のための「法
的手続」が厳存し、実際にも利用されていたことを、実例に即して示すものである。
これを受けて私の果たすべき役割は、最小限、①同じ法制史という分野の研究者とし
て、この論争をどう受け止めるか、及び、②日本を研究対象とする者として、比較史的
観点からどのような問題が伏在するか、の二点について、何がしか討論の素材を提供す
ることであろう。
<シンポジウムに関するお問合せ先>
日本学士院
〒110-0007 東京都台東区上野公園7-32
TEL 03-3822-2101
FAX 03-3822-2105
Web: http://www.japan-acad.go.jp
事前申込制(Webより)
詳細は以下を参照
http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2008/080401.html[Links]
『ゴシック料理』 http://www.geocities.jp/puku2milk/ 西洋史中世史院生用ガイダンスを目的として作られたサイト。川原田知也作成 bibliotheca hermetica http://www.geocities.jp/bhermes001/ 平井浩作成 古代から近世までにいたる科学史(特に錬金術・自然魔術・占星術)の研究と文献紹介 Medieval English Studies Newsletter, New Series http://www.flet.keio.ac.jp/~mesn/index.html シェンハス-中世アイルランド史研究 http://homepage3.nifty.com/senchas/ 田付秋子作成 中世学の書庫 ex libris mediaevalibus http://www.geocities.jp/narrenstein/井上周平作成 ヨーロッパ中・近世都市史研究を中心とした学術情報 (31 Oct 2005 追加)