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By admin at 12/11/2007 05:43PM
以下のシンポジウムの情報を掲載しました。
2007年12月16日(日) 13:00~18:00 東京大学 本郷キャンパス 法文二号館 1番大教室
近年、西洋美術の歴史的展開に果たした聖遺物の役割の重要性に対する関心まってきています。キリスト教中世において聖遺物とは聖人の遺体・遺骨ないしは ゆかりの遺物で、これらには神に由来する特別な力が宿り、様々な奇跡をもたらし、死後の救済を保証すると信じられ、また聖人の魂は既に天上にあるとされたことから、聖遺物は彼岸との回路としても機能していました。しかし人々の聖遺物への期待の大きさに比して、聖遺物そのものは、自らの価値を恒常的に発信する術を、往々にして有していませんでした。見た目には、どこの馬の骨とも襤褸くずとも区別がつきにくかったのです。こうした聖遺物に、その本来の価値を明示するとともに、安全な保管のための有効な手段として、造形イメージが大きな役割を果たすことになりました。ドイツの美術史家ハンス・ベルティンクは、その大著『イメージと礼拝』において聖遺物とイメージとのこうした関係を「同盟関係」と形容し、このような現象がキリスト教特有というわけではないとして、簡潔ながら、ある地蔵菩薩像とその像内納入品を一例として挙げています。 仏教美術研究においても、昨今、舎利信仰との関わりや、像内納入、骨灰像、生身論等についての知見が飛躍的に深化してきているようです。またこうした成果を瞥見してゆくと、仏教でもキリスト教でも、人の遺体や遺骨・遺灰などが、幽明の境を越える手段とみなされ、それに造形イメージが密接に関わっていた点は、共通しているように思われてきます。そこでベルティンクによる上記の示唆を、東西の美術史研究者を中心にしつつも、隣接諸分野を研究する方々の助力を得て具体的に検証してみよう、というのが本シンポジウム開催の趣旨です。キリスト教および仏教美術においてこうしたテーマで現在活発に研究を展開されている四名の方々に講演をしていただくとともに、討論を主導していただこうと思います。彼我の事例を照らし合わせ、相互の異同を探る試みは、これまであまり試みられたことはなく、このような試みはさまざまな宗教美術研究の更なる展開に資するだけではなく、東西両洋の死生観の研究にも然るべき刺激を与えうるでしょう。もちろん、関心を共にする様々な学際領域の方々からの示唆や助言なども議論の展開の上で欠かせません。多少とも興味をお持ちの方のご参加に大いに期待いたします。
【プログラム】
第一部(13:00~14:20、14:40~15:45)
開会挨拶:島薗進 (東京大学 グローバルCOE拠点リーダー)
Susumu SHIMAZONO, The University of Tokyo
講演1:肥田路美 (早稲田大学) 「舎利信仰と王権」 Romi HIDA, Waseda University, The Cult of Sarira and Sovereignty
講演2 :エリック・トゥーノ(ラトガース大学)「聖なる欠片からモノへ、あるいはその逆: 初期中世の視覚文化における聖遺物とイメージ」
Erik THUNO, Rutgers (The State University of New Jersey)
From Holy Fragment to Material Artifact and Back. On Relic and Image in Early Medieval Visual Culture
休憩 14:20~14:40
講演3:スコット・B・モントゴメリー (デンヴァー大学) 「黄金の肌、輝く骨: 中世人の知覚における聖遺物と聖遺物容器の融合」
Scott B. MONTGOMERY (University of Denver)
Golden Flesh, Radiant Bones: The Unity of Relic and Reliquary in Medieval Perception
講演4:根立研介 (京都大学)「日本の肖像彫刻と遺骨崇拝」
Kensuke NEDACHI (Kyoto University)
Japanese Portrait Sculpture and the Cult of Human Remains
第二部(16:10~18:00)
コメント 秋山聰 (東京大学) 「聖遺物とイメージ:東西比較の試み」
Akira AKIYAMA (The University of Tokyo)
Relic and Image. An Attempt at a Comparative Art History
ディスカッション
閉会挨拶 小佐野 重利 (東京大学) Shigetoshi OSANO, The University of Tokyo
オーガナイザー 秋山聰(美術史学研究室)
【講演者・コメンテーター】
肥田路美(早稲田大学)、エリック・トゥーノ(ラトガース大学)、スコット・B・モントゴメリー(デンヴァー大学)、根立研介(京都大学)、秋山聰(東京大学)
【言語】 日本語、英語(同時通訳あり)
【主催】 東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
【共催】 東京大学大学院人文社会系研究科美術史学研究室
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/yotei/s071216.htm
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